五芒星の意味とは?魔除けの効果と六芒星との違いについても解説します
あなたは『五芒星』というものをご存知でしょうか。読み方としては『ごぼうせい』となるのですが、簡単に言ってしまえば一筆で書ける星型のあれです。そして、五芒星と言われた時に真っ先に思い付くのが、陰陽師で有名な『安倍晴明』だと思います。
映画の『陰陽師』でも安倍晴明が五芒星を使ったシーンがあったりして、知っている方も多いかと思います。しかし、五芒星は『安倍晴明』のイメージが強いですが、実は世界各地で五芒星はしっかりとした意味で使われているという歴史があるのです。
そこで今回は、世界各地で使われている五芒星に込められた意味とその効果、そして五芒星と同じぐらい知名度がある『六芒星』との違いについて解説していきたいと思います。
目次
五芒星とは何か?
五芒星とは簡単に言うと『角が5つある星』という意味で、星をモチーフにしたものとなります。英語での場合は『pentagram(ペンタグラム)』と言いますね。もう少し詳しく言いますと、『長さの等しい五本の線が互いに交差しあって、その中心でできる五角形』が五芒星です。
五芒星は5つの要素を表す図形であり、多くの場合は魔除けとして使われています。また、五芒星は魔術記号ともされていて、守護として使う場合もあるのですが、この五芒星を逆にして悪魔の象徴としてサタニスト(悪魔のサタンを崇拝する人たちの事)が黒魔術にて使うということがあり、この逆型五芒星の事を『デビルスター』と言います。
細かい五芒星の意味に関しては国によってそれぞれ異なってくるので、次から詳しく紹介していきます。
五芒星が持つ意味
先ほどもお伝えしたように、五芒星自体は世界で使われており、国によって五芒星の意味は異なってきます。また、五芒星そのものは紀元前3000年からあって、歴史自体はかなり古くからある事が分かります。
そして、五芒星は魔除けや守護として使われたり、逆に黒魔術で相手を呪うといった場合に使用されたりします。ここでは、
- 西洋における五芒星の意味
- 陰陽道における五芒星の意味
- 日本における五芒星の意味
- 旧日本陸軍で使われていた五芒星の意味
- 悪魔を意味する逆五芒星
の5つについて、それぞれ意味を解説していきたいと思います。
西洋における五芒星の意味
西洋での場合ですと、五芒星が持つ意味としては『火、水、風、土、スピリット(霊的要素)』の5つが自然界を構成しているという考えがあり、魔法のシンボルとして扱われたりしています。
ヨーロッパに秘密結社の一つである『黄金の夜明け団』があるのですが、
- タロット占い
- カラバ神秘学
- 占星術
- 魔術
などを長く研究をしていたこの集団は、掲げていた『薔薇十字』の中にこの五芒星を描いていたことから、五芒星を神秘主義思想として重要視していたと思われます。
また、ギリシャでは『ピュタゴラス教団』という宗教団体があり、この教団にとっての五芒星は、『精神と肉体の調和』というスピリチュアルな意味を持つとされています。
陰陽道における五芒星の意味
五芒星と言えば『陰陽師の安倍晴明!』ということで、五芒星に関しては、日本ではこのイメージが最も強いと言っても過言ではありません。平安時代に活躍した伝説の陰陽師『安倍晴明』は、五行を象徴とした五芒星を魔除けの呪符として使いました。
陰陽道における五芒星としては、五行思想(ごぎょうしそう)と言われる自然のすべては『木・火・土・金・水』の5種類の元素からなっているという意味の思想がありますが、これが陰陽道では基本概念となっています。
その中で、
- 木は燃えて火となる
- 火が燃えた後は灰になる
- 土が集まって山となった場所から金が産出する
- 金は腐って水に帰る
- 水は木を成長させる
という相手の要素を補って強める影響を与える意味の『五行相生(ごぎょうそうしょう)』と、
- 水は火を消す
- 火は金を溶かす
- 金でできた刃物は木を切り倒す
- 木は土を押しのけて生長する
- 土は水の流れをせき止める
という相手を弱める影響を与える意味の『五行相剋(ごぎょうそうこく)』があり、それぞれの要素がお互いに影響を与え合うという考えがベースとなっています。これが陰陽道においては占術という形で使用されたと言われています。
日本における五芒星の意味
日本での五芒星は安倍晴明のイメージが強いですが、かといって一番最初が日本だったわけではありません。もともとは3世紀~4世紀の、現在で言うところの中国新疆ウイグル自治区があるタクラマカン砂漠の遺跡から五芒星が入っている物が出ており、中国ではすでに古代から魔除けとして五芒星が使われていたと言われています。
そして日本では7世紀の古墳の壁画に五芒星があったり、8世紀に発見された土器にも五芒星が入っていたなど、別の国との交流によって日本に入ってきたとされているようです。
また、安倍晴明を祀っている晴明神社では『晴明桔梗(せいめいききょう)』という名前で呼ばれており、神紋として鳥居や井戸などにたくさんの五芒星がマークという形であったりして、パワースポットとして多くの人が訪れています。
日本での五芒星は、やはり総じて魔除けという意味で使われており、奈良時代においても天災を鎮めるという意味で儀式の際に五芒星が使われていたそうです。
旧日本陸軍で使われていた五芒星の意味
日本においては奈良時代の儀式や晴明神社で使われているにとどまらず、実は旧日本陸軍でも、
- 将校准士官の帽子に五芒星が入っていた
- 陸軍の軍服に付けていた臂章(ひしょう)に五芒星が模されていた
- 陸軍の平服に付けるバッジに五芒星が使われていた
など、服装にも五芒星が必ずと言っていいほど使われていたとのことです。これに関してはなぜ使われたのか、どういった意味で五芒星が使われていたのかは不明とされていますが、一般的には弾除け(多魔除け)という意味で使われていたのではないかという推測があります。
旧日本陸軍でも五芒星が使われていたことを考えると、国レベルで五芒星を重要視し、五芒星が持つ力というのに助けてもらっていたのかもしれません。
悪魔を意味する逆五芒星
五芒星はどの国においても『魔除け』という意味で使われており、スピリチュアル的に見ても重要な図形となっています。
しかし、冒頭でも語っていることですが、五芒星を真逆にした『デビルスター』というものがあります。これはサタニストが悪魔崇拝として呪いや黒魔術にて悪魔と契約したり、力を借りる際に使用します。
とはいえ確かに悪魔崇拝で逆五芒星、つまりデビルスターが使用されていますが、これは悪魔を召喚するためではなく、悪魔を召喚する際に自身の身を守るために使用されるそうです。
五芒星をそのままの形で使用する場合は『魔除け』、五芒星を逆さまにして使用する場合は逆に『悪魔を受け入れる』といった意味合いを持つということですね。
五芒星には魔除けの効果がある
ここまでさまざまな国での五芒星の意味合いに関してお伝えしてきましたが、五芒星は具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
効果としては冒頭から散々語っているのでお分かりかと思いますが、『魔除け』となります。
ではなぜ『魔除けなのか』ということですが、あなたも恐らく一回は五芒星を書いたことがあるでしょう。この際に書き方として、一筆書きで五芒星は書けますよね。
これが『邪気の入る隙間を無くすことができる』と言われているためのようです。この世は善と悪(陰と陽)で成り立っているとされていて、本来は善と悪で考えたときに善(陽)の方が強くないといけないことから、陽より陰が強くならないように魔除けとして五芒星を使用するといった感じになるようです。
ちなみに、ネックレスでも五芒星が入っていたりしますが、ネックレスの場合も魔除けの意味が込められていて、お守りとして使えるそうです。さらに、自身の持つ精神力やパワーを引き出す効果もあるとのこと。
五芒星と六芒星の違いは何?
ここまで五芒星の持つ意味や効果を解説してきましたが、五芒星と同じぐらいに有名なもので『六芒星』があります。この六芒星は五芒星とどんな違いがあるのでしょうか。
六芒星は『ダビデの星』と言われており、これはユダヤを象徴するマークでもあるのですが、ユダヤのシンボルとして使用する際の呼び名として言われたりするそうです。
六芒星に関しても五芒星と同じで、世界各地で使われている図形になります。六芒星と五芒星の決定的な違いとは、五芒星は『守り』として、六芒星は『周りに影響を与える時』に使用されるということです。
もしくは、
・五芒星→『精神エネルギーを安定させる』
・六芒星→『精神エネルギーを強める』
といった働きがあるとのこと。六芒星は五芒星と違って陰と陽の調和を表すとも言われています。
このように、五芒星と六芒星は同じようで、意味合いや働きが全く違うということが分かりますね。
手相における五芒星の意味
先日、知り合いのプロの占い師さんに手相を見てもらったら、オレの手に五芒星が有るらしいw
— キンタ@怪談 (@81kinta) March 12, 2020
すごい珍しいし、最強の魔除け効果が有るんだとか😅
あと、何だか色々線を書かれました💦 pic.twitter.com/9XNrTTfNQ0
最後に少し余談ですが、手相においても実は人によって五芒星が入っていることがあります。手相で五芒星が入っている人自体がかなり珍しく、この場合は『相当な幸運に恵まれる』という意味があるそうです。
五芒星自体が魔除けの効果を持っているので、手相においても同じように、大吉相という証で悪い気を寄せ付けないということですね。
もし自身の手相で五芒星が入っていたら喜ぶべきでしょう。大事にしていただきたいと思います。
まとめ:五芒星の意味としては総じて魔除けの効果がある
今回は『五芒星』の意味について、効果とともに解説をしてきました。五芒星は古代より世界各地で魔除けとして儀式の際に使われてきており、スピリチュアル的にも重要な図形であることが分かりました。
効果としては魔除けであると同時に、一筆書きをすることで邪気を入らせないようにするという意味合いもありました。日本においても平安時代の陰陽師『安倍晴明』が五芒星を使用し、陰陽道においては五行相生と五行相剋という考え方をベースにした五行思想が占術で使用されています。
五芒星はそのままの形であればスピリチュアル的にも魔除けとして力を発揮しますが、逆さまにしてしまうと悪魔を受け入れるという意味合いになってしまうので、使い方に注意する必要がありますね。