雨降り小僧は雨を降らせる妖怪!ゲゲゲの鬼太郎と手塚治虫のアニメについても解説
あなたは「雨降り小僧」という妖怪をご存知でしょうか。雨降り小僧は雨を降らせるというシンプルな妖怪です。
雨降り小僧は妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する他、手塚治虫氏が手掛ける漫画「雨ふり小僧」があったりと、割と妖怪の中では有名となっています。
そこで今回は、妖怪としての雨降り小僧を解説しつつ、ゲゲゲの鬼太郎や手塚治虫氏の漫画「雨ふり小僧」について紹介していきたいと思います。
雨降り小僧が出てくる日本の実写映画をこちらで紹介しています。
➔【邦画】妖怪が出てくる実写映画おすすめ13選【最新作〜昔の作品】
目次
妖怪「雨降り小僧」とは?
出典:Wikipedia
雨降り小僧は雨を降らせる子供の妖怪です。伝承によっては雨降り小僧を「雨を降らせる神様」として扱われたりします。
また、中国において雨降り小僧は「雨師(うし:雨を司る神)に仕える侍童(じどう:地位が高い人間に仕える子供)」として伝わっているとのこと。
雨降り小僧の特徴
雨降り小僧の特徴としては、人間が雨降り小僧に出会った時、その対象に対して上から雨を降らせるイタズラをしてきます。
あくまでもイタズラなので、人間に対して危害を加えるということはしません。
雨降り小僧は古典の「今昔画図続百鬼」の中で、
- 中骨を抜いた和傘を被っている
- 提灯を持っている
という姿で描かれています。
雨降り小僧の伝承
日本に伝わる雨降り小僧の伝承としては、昭和・平成の文献で見ると、
- 雨降り小僧が被っている和傘を奪って頭に着けてみたら取れなくなってしまった
- 相手の頭上から雨を降らせ、困った人間を見て笑う
- 雨降り小僧に話しかけられたと思ったら青カビを移された
といった話があります。また、東北地方ではこんな伝承もあります。
峠に住む狐が雨降り小僧にこう言いました。
「魚をあげるから雨を降らせてほしい。雨の降る夜に娘の嫁入りをするので・・・」
すると雨降り小僧は「承知した」と返事するのです。すると、あたりがたちまち暗くなり、やがて雨が降り出します。
そして、その雨の降っている中を狐の嫁入りの行列が続いたそうです。
雨降り小僧は、雨が降ってほしい時に頼めばまるで神様のように雨を降らせてくれるので、頼った者は多そうですね。
雨に関係した妖怪は雨降り小僧以外にもいる
雨を降らせるのが雨降り小僧となりますが、実は雨に関係した妖怪は雨降り小僧以外にも、
- 傘さし狸(かささしだぬき:徳島県の妖怪)
- 雨女(あめおんな)
- 雨降らし(あめふらし)
などがいます。
これらの妖怪も同じように雨を降らすもので、干ばつや雨が降らない日が続いている時に呼んで雨を降らせてもらったという伝承が残っています。
妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」での雨降り小僧
久しぶりに4期40話「夜の墓場は運動会!」を見ました。この回は見てて楽しい。雨降り小僧登場回でもありましたね。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/niVkOhovFf
— heisei (@heisei1999) November 29, 2019
雨降り小僧はアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の場合だとどのようになっているのでしょうか。鬼太郎での雨降り小僧は、伝承の通り雨を降らせるキャラクターになっています。
全シリーズに登場するという貴重な妖怪となっており、彼が持つ力は強大と言えました。
第3期の場合、メキシコの雨の神である「ユムチャック」から日本の雨を司る神として理想郷の番人に選ばれたりしています。
また、この時の雨降り小僧は豪雨や雷雨を降らせたり、逆に弱めの雨を降らせたり出来るなど、雨量を思いのままにコントロールできるという強力な能力を持っていました。
別のシーズンの時では逆に雨をコントロールすることが出来ず、降らせたくないのに雨を降らせてしまったりして失敗するなど、強い力を持っているが故の代償を払ったりしています。
良くも悪くも、ゲゲゲの鬼太郎の中での雨降り小僧は、出てくる妖怪の中でも一際存在感が強かった妖怪と言えるでしょう。
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立川談志が気に入る手塚治虫の作品「雨ふり小僧」
雨の日が続いていると「雨ふり小僧」が読みたくなりませんか?「雨ふり小僧」は手塚治虫の短編漫画で、妖怪 雨ふり小僧と少年の40年の時をこえた友情が描かれています🌂🧦
— 【公式】手塚プロダクション・グッズ情報 (@TEZUKA_goods) July 15, 2020
雨ふり小僧の素直な性格がとってもキュートなので読むと癒されますよ~💙💛https://t.co/hGKFIIxenk pic.twitter.com/ld2hKNvORK
雨降り小僧は、漫画界の金字塔である手塚治虫氏が手掛けた少年漫画「雨ふり小僧」にも出てきます。
この漫画は「月刊少年ジャンプ」の1975年9月号に掲載された作品で、落語家であった故・立川談志氏が「一番好きな妖怪」として挙げたものでした。
内容としては、雨ふり小僧と主人公であるモウ太が40年の時を超えた友情を描いたものになります。
山奥の奥沢分校に通う主人公であるモウ太が友達が欲しいと思っていた時に雨ふり小僧と出会い、出会った際に雨ふり小僧がモウ太の履いていた長靴が欲しくなって、もし長靴をくれたら3つの願いを叶えると言って去ります。
その後モウ太は「町の人間も持っていないような宝物」と「自分をいじめてくる生徒を懲らしめる」という2つの願いを雨ふり小僧に叶えてもらいました。
しかしある時、モウ太が通っていた分校が火事となってしまい、3つ目の願いとして「雨を降らせて火事を止めてほしい」と頼みます。
モウ太は雨ふり小僧に3つの願いを叶えてもらったため、約束していた長靴を橋の下で渡すと言いました。
しかしモウ太は火事の影響で分校が廃校になってしまい、別の学校に転校することに。そしてモウ太は、雨ふり小僧との約束を忘れたまま40年の時が経ってしまいます。
モウ太は娘の言葉で雨ふり小僧のことを思い出して山奥へ向かい、雨ふり小僧と再会したものの、子供にしか見えない雨ふり小僧はそのまま姿を消して2度と会えなくなるというストーリーになっています。
この作品は、「友達と交わした約束が如何に大事なものなのか」ということを教えてくれます。
大人になると「約束」というものをおろそかにしてしまうことが多いですが、この作品を見て改めて約束の大事さと言うものを思い出したいですね。
まとめ:雨降り小僧は雨を降らせるイタズラ好きの妖怪
今回は、雨を降らす妖怪「雨降り小僧」について解説をしてきました。雨降り小僧は伝承だと、イタズラに雨を降らすだけの妖怪として描かれています。
しかし「ゲゲゲの鬼太郎」ではその雨を降らす能力が強力となっており、中国の伝承で言われていた「雨を司る神様に仕える子供」にふさわしいものとなっていました。
また、手塚治虫氏の作品である「雨ふり小僧」でもその力は発揮されています。
どの作品においても雨が強く関係している雨降り小僧。もしこのような妖怪が居るのであれば、今起きている他の国の干ばつも解決できると言えるでしょう。
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