一つ目小僧はゲゲゲの鬼太郎では人間と共存している妖怪?伝承や正体についても解説

あなたは「一つ目小僧」という妖怪をご存知でしょうか。一つ目小僧とは、その名の通り「目が一つになっている子供の妖怪」です。
人気妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場するのですが、その立ち位置というのがなかなか面白かったりするんですよね。
そこで今回は、ゲゲゲの鬼太郎に登場する一つ目小僧について語っていきます。また、妖怪としての伝承やその正体についても解説するので興味がある方はご覧ください。
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目次
一つ目小僧とは?
一つ目小僧は最初にも言ったように、目が一つの子供のことを言います。どんな妖怪なのかと言えば、実は特に何かすることはありません。
「ただ単にいきなり姿を現しては驚かす」
たったこれだけなのです。要するに人間にとっては無害で、正直放っておいて何も問題がない妖怪ということ。
ちなみになんですが、一つ目という特徴を持っている妖怪は他にも、
- 一つ目入道
- からかさ小僧
がいます。この2つの妖怪は同じ一つ目であるものの、一つ目小僧とはまた違った特徴を持つ妖怪になります。
一つ目小僧についての詳しい話は後ほど。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる一つ目小僧
ケーブルで、ゲゲゲの鬼太郎5期100話一挙放送してて、91話の一つ目小僧にキュンときた。
— 黄色のうさぎ (@1115_sakura) July 30, 2017
ハゲキャラってリアルでも二次元でも嫌いだけど、これはいけた笑笑
(´-`).。oO声がミキシンだからかな‥
てか、鬼太郎すきだわ。いいよね。ベルトルさんくらい好きだわ pic.twitter.com/r3iayFtj1g
何も危害を加えないと言われている一つ目小僧。では「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する一つ目小僧は、キャラクターとしてどうなっているのでしょうか。
一つ目小僧が登場するのはゲゲゲの鬼太郎の第5期と第6期です。しかしメインで登場するのは第5期になるので、今回は第5期に絞って解説していきます。
一つ目小僧が持っている能力
まず、ゲゲゲの鬼太郎に登場する一つ目小僧が持っている能力を見ていきます。一つ目小僧の持つ能力は、
「筆で描いた文字を実体化させ、描いた文字の通りのことを起こす」
です。これは簡単に言うと、例えば
- 「本」と書けば「本が出現する」
- 「動」と書けば「対象が動く」
- 「飛」と書けば「対象が飛ぶ」
といったことが出来るということ。実際に一つ目小僧は「信」と書くことで、会社の人間たちに対して自分の事を人間だと信じ込ませることをしていました。
このような能力が現実で出来るのであれば、自分自身が生きやすいようにさまざまな形で役に立ちそうですよね。
第5期91話「妖怪筆師!一つ目小僧」
一つ目小僧にスポットをあてた回として、ゲゲゲの鬼太郎の第5期91話「妖怪筆師!一つ目小僧」があります。
一つ目小僧はゲゲゲの鬼太郎の世界ですと、人間社会に完全に溶け込み、ハイテク企業にて実際に社員として働いているというような立場になります。
これは先ほどの能力のところで言った「信」を描いて、自身を人間であると思い込ませている事で成り立っているのです。
一つ目小僧は就活で自身の会社にやってきた「鷲尾誠」と出会います。鷲尾はろくろ首と付き合っており、結婚を予定している状況にありました。
飲み会で二人きりになった時、鷲尾からその能力があれば何でもできると言われます。
しかし一つ目小僧は「信」の限界というものをある程度分かっていたため、どこまで通用するか分からず、下手すればバレるという悩みと葛藤していました。
そんな頃、会社では「経凛々(きょうりんりん)」という妖怪が暴れまわり、一つ目小僧は経凛々を倒すべく鬼太郎と協力することを決意。
この際に「経凛々」と描いて経凛々の複製を作り出して経凛々を誘導することで倒すことに成功したのですが、代わりに妖力が無くなって人間たちにかけていた「信」の効果がゼロとなってしまったのです。
これにより自身が妖怪であることがバレてしまい、会社を立ち去ることに。その後は経凛々を本来の形に戻すべく旅に出たところで終わります。
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ゲゲゲの鬼太郎に登場する一つ目小僧は、なかなかの能力を持つ妖怪でした。
とはいえ、実際の一つ目小僧の特徴と各地方で残されている伝承として何があるのか、改めて見ていきたいと思います。
一つ目小僧の特徴
一つ目小僧の特徴に関しては最初の方でも話していますが、人間に危害を加えずにただいきなり出てきては驚かすだけの妖怪です。
他にあるとするならば、坊主頭であるということと、性格は至って温厚であるということですね。
あとはこのような特徴だからなのか、イラストで描かれる一つ目小僧は可愛らしいことがほとんど。
ちなみに、一つ目小僧の絵の中で「豆腐」を持っている姿が描かれていたりする場合があります。
これによって別の妖怪である「豆腐小僧」と同一の妖怪なのではないかという説が流れることとなりました。
ですが、もともとは豆粒(まめつぶ)が魔滅(まめつ)に通じるのがあり、一つ目小僧は豆腐を嫌うとされていました。
しかし、これが後世で一つ目小僧が豆腐が好きであるという伝承にすり替わってしまったのが原因とされており、結果的に言えば豆腐小僧との関係は無いということになります。
豆腐小僧について詳しく書いている記事はこちら
➔豆腐小僧は豆腐を運ぶ妖怪?鬼太郎ではどうなの?京極夏彦が書いた本もある?
一つ目小僧における各地方の伝承
一つ目小僧の伝承は、江戸時代の怪談や民俗資料に多く残されています。その中で有名な話の一つとして「怪談老の杖」にある怪談になります。
江戸の四谷に住んでいた小嶋弥喜右衛門は、当時用事があって麻布の武家屋敷にやってきて部屋で待っていました。
すると突然子供が現れて、部屋にあった掛け軸を巻いたり下ろしたりし始めます。弥喜右衛門は不思議に思いながらもその子供に注意をしました。
その子供は「黙っていよ」と言ってこちらを振り返ってきたのですが、よく見るとその子供の目が一つしか無く、弥喜右衛門は驚いてそのまま気絶。
屋敷の者に自宅へ運ばれて20日間は寝込んでいましたが、その後は体調を取り戻して普通の生活に戻れたそうです。
他にある話では、会津若松に住んでいた少女が本四ノ丁付近で子供に出会い、この際に「お姉さん、お金欲しいか?」と聞かれます。
少女が「欲しい」と答えると子供が振り返るのですが、目が一つしか無く少女はその姿を見て気絶してしまいました。
他にもさまざまな伝承がありますが、いずれも驚かすだけで害は無いのがほとんどとなっています。
一つ目小僧の正体とは何か?
一つ目小僧が人間に害を与えない妖怪なのは分かりましたが、一方でやはり一つ目小僧の正体というのを知りたくなるのが人間の性でしょう。
一つ目小僧の正体として言われている説としては「山の神が堕ちた姿」があります。
これは民俗学者である柳田國男氏が、妖怪を「神が零落したもの=堕落」という考えをベースにして一つ目小僧も「山の神が堕落した姿」として説いたものです。
実際に日本各地の山中にて、目が一つと足が片方しかない神様を自然の神として祀っているところが存在。
また、熊野山中に住む妖怪で「一本だたら」というのがいて、これが一つ目小僧の原型とも言われています。
一本だたらの正体は「たたら師(鍛冶師)」で、たたら製鉄で働いている人たちの中で片目を失ってしまう人が多かったことが関係としてあるようです。
山の神、または山の妖怪の特徴として一つ目と一本足が共通となっており、一つ目小僧もこれに当てはめられた、ということではないかと思われます。
単眼症という一つ目小僧のような人間も実在した?
一つ目小僧の最大の特徴は一つ目ですが、昔は一つ目の子供が産まれるということが実際にあったようです。
いわゆる「単眼症(たんがんしょう)」と言われるものですが、これはビタミンAの欠損によって大脳が分かれることが出来ずに目が一つになってしまう病気です。
昔の日本では食肉文化では無かったために、ビタミンAが不足しがちであったとされています。
実際に、1932年に神奈川県座間市内にある墓地にて目が一つしか無い頭蓋骨が発見されています。
鑑定でこの頭蓋骨の主は野犬などの動物に襲われて亡くなったのではないかとして、供養のために「一つ目小僧地蔵」が建てられました。
この主も単眼症だったのではないかという説が、当時はあったようです。
まとめ:一つ目小僧はゲゲゲの鬼太郎においては人間社会に溶け込んでいた
今回は「一つ目小僧」という妖怪について記事を書いてきました。
一つ目小僧は目が一つになっている子供の妖怪で、人間の目の前に姿を現しては驚かして気絶させてしまうというシンプルな妖怪です。
「ゲゲゲの鬼太郎」において一つ目小僧は人間社会に溶け込んでおり、人間と妖怪の共存を目指していたというキャラクター設定になっていました。
その能力も、現代社会を生き抜いていく上で必要であると感じますし、もし存在するのであればぜひ手に入れたい能力ですね。
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