【妖怪】獏は悪夢を食べる縁起の良い生き物?その伝説と現存するバクとの関係性とは?
あなたは「獏」という妖怪をご存知でしょうか。獏と言われると自分達が良く知っている哺乳類の「バク」を思い出すと思います。獏は「夢を食べる妖怪」と言われていて、なんだか怖いイメージを持たれている方も少なくないと思います。
しかし獏はあくまでも伝説としてですが、「縁起の良い妖怪」であることを知っていましたか?
そこで今回は、夢を食べる妖怪として怖いイメージを持たれている獏についての伝説を紹介していきたいと思います。また、現存している「バク」との関係性についても今回は触れていきたいと思います。
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目次
妖怪である獏の特徴
伝説として伝わる獏の特徴について紹介していきたいと思いますが、実は明確なものはありません。一応言われていることとしては、
- 鼻は象
- 目はサイ
- 尻尾は牛
- 脚は虎
にそれぞれ似ているという記述があります。見た目自体は色んな動物の一部分を合体させたかのような外見になっていますね。また、
- 熊に似ている
- 頭が小さい
- 脚が短い
- 黒白の模様がある
- 鉄、竹を食べる
といった感じで、ジャイアントパンダであるとも指摘されています。獏の特徴に関してはこのように、文献によって定まっておらず、さまざまな形で残っているようですね。
妖怪である獏の伝説とは?
では、獏の妖怪としての特徴が掴めたところで、ここからこの獏に関する伝説を紹介していきたいと思います。
獏に関しては中国から日本に伝わったと言われています。しかし、中国と日本でそれぞれ扱いが変わっているので、それぞれどのような伝説があるか紹介していきます。
中国の場合は邪気を祓う妖怪として描いている
獏は中国から伝わる伝説の妖怪ですが、実は多くの方が認知しているような「夢を食べる」という話は描かれていません。
とすれば、中国ではどのように伝説として伝わっているのか。それは、
- 獏の皮を使って座布団や寝具を作り、病気や邪気を払う
- 獏の絵を書いて邪気を払う
といった習慣があったとされているのです。要するに、「病気や邪気を払う守り神といった形で扱われていた」ということです。
日本では獏は悪夢を食べてくれる存在としている
では、日本での獏の扱いはどうなっているのでしょうか。日本の場合ですと、中国で伝わっていた「悪気を払う」というのが「悪夢を払う」という形で変わり、最終的に「悪夢を食べる」と解釈されたと言われています。
日本では室町時代に獏の絵画や文字を縁起物として扱い、正月は良い夢を見るために船の帆に「獏」と書いて、それを枕の下に敷いて寝ることをしていたそうです。
福島や熊本では悪夢を見てしまった際、
- 「昨夜の悪夢は獏にあげます」といって息を三回吐きかける
- 「今晩の悪夢は獏に食べてもらう、食べてもらう、食べてもらう・・・」と三回唱える
をすることで悪夢を食べてもらうという伝承が残っているとのことです。
妖怪の獏と現存しているバクの関係性は?
自分達が知っている哺乳類のバクに関しては、妖怪である獏に似ていることから名前がバクとなったとのことです。
しかし、ただ単に似ているからというだけでなく、実は京都大学の名誉教授である林巳奈夫氏によれば、古代中国の遺跡にて、現存するバクをかたどったと言われる青銅器が発見されているというのです。
つまり、古代中国にはマレーバクと言われるバクが生息していて、絶滅してしまったことによって後世に獏が伝わったのではないか、とのこと。
獏は伝説の生き物という扱いをしてはいるものの、実際には大昔から実在していて、現存しているバクがその伝説の獏の生まれ変わりである可能性は否定できないと個人的には思います。
まとめ:獏は邪気を祓う縁起の良い妖怪である
今回は中国に伝わる伝説の妖怪「獏」について紹介してきました。獏は今自分達が知っているバクのもとになっている可能性があり、妖怪としては魅力的であると感じます。
また、イメージが強い「夢を食べる」ということに関しては中国ではそのような伝説は無く、日本独自の言い伝えとして残っているようです。
獏は、中国では邪気祓いとして、日本では縁起の良い生き物として扱い、どちらも悪い妖怪として扱っていないことが分かりました。現代にいる哺乳類のバクは、古代より生息していたものの可能性があるため、今後の研究結果に期待したいところです。
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