中国の妖怪で最強なのはどれ?有名なキョンシーと共にいろいろ挙げてみた

妖怪と言われると真っ先に日本の妖怪を思い浮かべますが、お隣の中国では日本の妖怪の数とは比較にならないほどの話があり、神話もその数だけ存在しています。
中国の妖怪も個性豊かで、日本でもよく知られている「キョンシー」を中心に種類もさまざまで、その恐ろしさもまた日本の妖怪とは比べ物になりません。
そこで今回は「中国の妖怪の中で最強を選ぶとしたら?」というのをテーマにして、最強に相応しい妖怪をいろいろと挙げてみようと思います。
個人の主観で選んだものになるので、それを踏まえたうえで閲覧していただきたいと思います。
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目次
中国の妖怪の歴史について
日本の妖怪は日本で生まれたものであるとあなたも思っているかもしれません。しかし、実は日本の妖怪の「7割」は中国から伝わっているものなのです。
中国では妖怪の定義として
- 異獣型:現実の生物と全く異なる特異生物
- 妖徴型:人間が異常と感じる現象
- 精怪型:動物・植物の形をしたもの
の3つの形態があり、最初に確定した概念が「異獣型」で、これは今自分たちが見てきた動物たちが合体して出来たような「神」のことです。
妖怪とされている龍や鵺のようなものがそれに当たりますね。それぞれの動物の体の一部を組み合わせて出来ています。
最初の神という状態から徐々に人間型にシフトしていき、これが最終的に妖徴型・精怪型へと変わっていくにつれて、今のような自分たちが知っている妖怪へと変化していったとのことです。
次から最強と思われる妖怪を紹介していきたいと思います。ただし冒頭でも言っていますが、これは完全に個人の基準で決めたものになるので、それだけはご了承願いたいと思います。
最強の中国妖怪①キョンシー
一つ目に挙げる最強かもしれない中国の妖怪は「キョンシー」です。「中国の妖怪と言えばこれだ!」と思うほど認知されている妖怪です。
これは1985年に台湾で公開された映画「霊幻道士」と1986年に公開の「幽幻道士」などにおいて登場した、中国版ゾンビになります。
キョンシーを漢字で書くと「僵尸(きょうし)」または「殭屍(きょんしー)」となりますが、これは「倒れた死体」または「硬直した死体」という意味になります。
キョンシーの最大の特徴は、死体にも関わらず生きている時と全く同じ状態が維持されていること。髪の毛も普通に伸びる。
キョンシーは中国版ゾンビと言われるように、性格は凶暴で人の血肉を求めて人間に襲ってくる妖怪で、キョンシーになって年月が経つと神通力を持つようになり、さらに空を飛べるようになると言われています。
もっと言えば、カンフーを身に付けている個体の場合は手が付けられないとされており、達人クラスの人間でも苦戦するかもしれないと言われているため、決して相手にしたくない妖怪だと言えるでしょう。
キョンシーについて詳しく書いている記事はこちら
➔【ホラー】キョンシーの映画は怖い?画像や怖い話、弱点など徹底解説します
最強の中国妖怪②九尾の狐
2つ目に挙げる最強かもしれない中国妖怪は「九尾の狐(きゅうびのきつね)」です。九尾の狐は中国やインド、日本で悪さを働いて国そのものを傾けさせた伝承が残る妖怪になります。
九尾の狐は相手が最も好む姿に変えることができ、それは外見だけではなく性格やしぐさも合わせられるという能力を持っています。
そして、この能力によって
- 中国:妲己(だっき)
- 日本:玉藻前(たまものまえ)
- インド:華陽夫人(かようふじん)
等に変化して、それぞれの皇帝を操って自身のやりたいように誘導していったりしていき、最終的には国そのものを傾けさせてしまうという恐ろしい妖怪です。
しかも相手が最も好む姿に変えられるおかげで、相手は完全に彼女の術中にはまり心を支配されてしまうため、自分自身で何とかしようということ自体が出来なくなります。
男性であれば、このような妖怪と出会うのは危険であると言えるでしょう。
九尾の狐の能力について書いている記事はこちら
➔【最強】妖狐である九尾の狐が持つ能力とは?その伝説と妖狐の種類も徹底解説します
最強の中国妖怪③饕餮
出典:参考館セレクション
3つ目に挙げる最強かもしれない中国妖怪は「饕餮(とうてつ)」です。饕餮は「四凶」と呼ばれる中国の怪物の一つで、
- 饕:財産を貪る
- 餮:食べ物を貪る
という意味があり、その名の通りなんでも食いまくる「貪欲な怪物」ということになります。
その特性上、昔の人々の間で魔をも喰うといった考えが生まれ、饕餮を魔除けとして信仰をするようになったとも言われています。
ちなみに饕餮の姿に関しては、
- 体は牛か羊
- 曲がった角
- 虎の牙
- 人の爪や顔
を持っているとされていて、この饕餮も先ほど紹介した「異獣型」の分類に入ってきますね。
ただ、なんでも喰うという恐ろしい凶暴性を持っていながら、自身よりも上の立場の者に関しては媚びるという卑怯な性格でもあるらしい・・・
最強の中国妖怪④応龍
4つ目に挙げる最強かもしれない中国妖怪は「応龍(おうりゅう)」です。応龍は中国に伝わる「四霊」の一つとされる、翼を持った龍になります。
応龍は、
- 4つの足
- 蝙蝠(こうもり)または鷹のような翼を持っている
- 足には3つの指がある
という特徴があるとされ、中国神話における帝王「黄帝」に属していたと言われています。
応龍は九黎(きゅうれい)の頭領である蚩尤と帝王の黄帝との戦いが中国の涿鹿(たくろく)で起きた際に黄帝の応援に駆け付け、軍神と言われた蚩尤を打ち破り勝利へと導きました。
蚩尤は不死身であるとされていて、最初に戦った炎帝軍を完膚なきまでに叩きのめして窮地に追いやったり、銅の頭部に鉄の額を持っていたことから体に一切のダメージを負わせることが出来なかったような存在でした。
そんな蚩尤を応龍は嵐を操り敵軍を一掃して蚩尤を打ち破ったため、応龍は中国最強の妖怪として君臨していると言われています。
最強の中国妖怪⑤燭陰
出典:Wikipedia
5つ目に挙げる最強かもしれない中国妖怪は「燭陰(しょくいん)」です。燭陰は古代中国の地理書である「三海経」に登場する神の一つです。
燭陰は中国の北海の鍾山(しょうざん)に住む神とされていて、大きさとしては約400キロメートルという巨大さを誇っています。
燭陰は昼夜、四季、風の概念を持ち、
- 目を開ければ昼
- 目を閉じれば夜
- 吹けば冬となる
- 呼べば夏になる
- 息すれば風が起きる
として、燭陰がこの概念を全て引き起こしていると信じられています。また、オーロラを神格化したものが燭陰とも。
火の神である祝融と同一視されていることもあり、燭陰は太陽神とも呼ばれたりするようです。
季節や昼夜、風などは全て燭陰が起こしている事とするなら、その大きさからも分かるように誰もその概念を壊すことが出来ないということになるでしょう。
最強の中国妖怪⑥雷神
6つ目に紹介する最強かもしれない中国妖怪は「雷神(らいじん)」です。雷神は日本でもなじみの深い妖怪ですが、実はこの雷神も元々は中国の妖怪となります。
雷神は雷を落として人の命を奪ったり、火事を引き起こさせるという荒ぶる神。これは昔も今も変わりません。
雷神の姿としては、
- 人型で全身に青みがかった毛で覆われている
- 頭は猿か猪
- くちばしがある
- 背中は羽毛の無い肉の翼が生えている
が特徴としてあります。雷神は本来は無作為に雷を落としている訳では無く、悪意を働いた者に対して天罰を下すという意味で落とすのです。
しかしながら、雷神は悪意を持った道士や術師の言う事を普通に聞いてしまい、罪のない人間に対しても雷を落としてしまうことがあるという厄介な神でもあります。
中には供え物を要求してくる性格の悪い雷神もおり、その場合はこちら側が供え物を渡さなかったりすると、雷神側は何も恵みを与えないのに雷を落としてくるという脅威にしかならない存在になるので最悪と言えるでしょう。
最強の中国妖怪⑦羅刹鳥
出典:Wikipedia
7つ目に挙げる最強かもしれない中国妖怪は「羅刹鳥(らせつちょう)」です。羅刹鳥は中国の清代の詩人である袁枚(えんばい)の怪談集「子不語(しふご)」に登場する鳥の妖怪になります。
羅刹鳥は墓にある死体の陰の気が積もったことで生まれる妖怪で、変身を可能にし、人を祟ったり人の目を喰ってしまいます。もともとは陰摩羅鬼(おんもらき)という妖怪がおり、羅刹鳥はこの陰摩羅鬼から派生したとされています。
羅刹鳥は襲いたい相手と全く同じ姿になることが出来るため、他の人間が見てもどっちが偽物か見分けることが出来ません。
しかも襲った相手の両目をえぐり取って喰ってしまうので、変身する瞬間なども見ることが出来ないという策士でもあります。
こんな妖怪が居るとしたら、まず両目をえぐられて失明させられるのを避けるのは不可能に近いといって良いでしょう。
最強の中国妖怪⑧吸血巨人
8つ目に紹介する最強かもしれない中国妖怪は「吸血巨人(きゅうけつきょじん)」です。吸血巨人は絶海の孤島に住む妖怪で、その島を見た者は誰一人居ないという伝承があります。
その理由は南方にその島があると言われているのですが、その島に辿り着いた時に吸血巨人が現れ、やってきた人間たちを全員殺して生き血を吸い付くしてしまうとされています。
つまり、吸血巨人が住む島を特定できないのは、やってきた人間全員がその島で殺されてしまうために、誰もその場所を言うことが出来ない、証拠を持って帰ることも出来ないということです。
吸血巨人は、まず自身の島にやってきた人間たちを厚く歓迎し、自身の住む洞窟へと案内。この際は誰もが礼儀正しい巨人だと思っているので、その凶悪さに気付くことはありません。
そして、その者らを洞窟へと案内して全員が洞窟内に入ったのを確認すると、大きな石で洞窟の入り口を塞いで逃げれない状態にしてから全ての人間の首を噛み千切り、首から溢れ出てくる血をすすりまくると言います。
誰一人として吸血巨人の正体に気付かず、洞窟内まで入ってしまったら逃げることは不可能となるので、それを踏まえて考えると脅威であるのは間違いないでしょう。
最強の中国妖怪⑨麒麟
9つ目に紹介する最強かもしれない中国妖怪は「麒麟(きりん)」です。麒麟は中国に伝わる伝説の動物で、世界の平和と繁栄の象徴となっている幻獣と言われています。
また、麒麟は毛皮で覆われた全ての生物の先祖と言われており、毛を持つ生物の全てが麒麟に従うとされています。
麒麟の姿としては、
- 体は鹿
- 尾は牛
- 足は馬
- 頭に角一本
と言われていて、頭に関しては狼、または羊に見えるとも言います。麒麟の年齢は2000才という長い寿命を持ち、いかに麒麟が聖なる動物かがよく分かります。
麒麟の性格は平和と繁栄の象徴と言われているように、温厚であり争いを嫌うとしています。
しかし、麒麟自体の戦闘力はかなり高く、
- 口から火を吐く
- 麒麟の鳴き声は雷のような轟音
とされていて、鳴き声に関しては邪気を祓って妖怪を降伏させるほどの力を持っています。
このことから、麒麟は人々に平和と繁栄をもたらすものの、ひとたび怒らせると非常に恐ろしい力を発揮するため、内に秘める力は絶大であると言えるでしょう。
麒麟について詳しく書いている記事はこちら
➔幻獣とされる麒麟とは?その能力や四神との関係、キリンとの違いまで徹底解説
最強の中国妖怪⑩玄武
最後に紹介する最強かもしれない中国妖怪は「玄武(げんぶ)」です。玄武は中国に伝わる「四霊」の一つで、北を守護する神となります。
玄武は四霊の中でも最高位とされており、その姿は亀と蛇が合体した形で描かれています。
玄武は水神とされていて、生命を司り、冥界との行き来を可能としている関係で、不老不死や子孫繁栄の象徴となっています。
玄武の強さというのは未知数ですが、少なくとも中国では玄武こそが四霊の中でも最強であるとして最高位に位置し、信仰されているとのこと。
天帝が座する一番重要な北方を玄武が守護しているとのことで、守護神としての力は計り知れないものであると考えられます。
まとめ:中国で最強の妖怪を決めるのは難しい
今回は「中国において最強の妖怪は何か?」ということについて記事を書いてきました。
正直に申し上げれば、中国の妖怪自体は万と超える種類があると言われていて、どれも個性的で力の在り方もバラバラなので、どれが最強であるかを決めるのは難しいと思いました。
また、日本の妖怪の7割が中国から伝わった妖怪であることも事実としてあるので、日本の妖怪の中で中国から伝わっているのは何か、というのを調べてみると面白いかもしれませんね。
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