河童は実在する妖怪?そしてその由来と正体とは?
河童は昔から妖怪として沼に現れると言われていますが、実際にその姿を見たという人は居ないとされています。
しかし、各地で様々な伝承や語り継がれている話があるのは事実であり、そこには有名な偉人の名前が入っていたりします。
そこで今回は、河童の名前の由来やその特徴について解説し、実際に河童が実在するのかどうか語っていきたいと思います。そして最後に現代まで語り継がれている伝説についても話していきたいと思います。
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目次
河童の名前の由来
「河童」という名前は昔から慣れ親しんだものですが、そもそも河童の名前の由来とは何なのでしょうか。
河童は「川(かわ」と「童(わっぱ)」を組み合わせたものになり、「かわわっぱ」から派生して「かっぱ」になったとのこと。当初は地域によって様々な呼び方があったのですが、芥川龍之介が1927年に出した小説「河童」によって、この呼び名が一般的になったそうです。
河童は水の妖怪と言われている
河童は妖怪の中でも「鬼」「天狗」と並んで一番と言っていいほどの知名度を誇っています。河童は水の妖怪と言われており、主に川や沼に住み着いていることで有名です。
河童そのもののイメージには2パターンあり、
- 悪戯はするが決して悪い妖怪ではない
- 工事を手伝う
- 自身を助けた人には魚をあげる
という友好的なイメージと
- 水辺にきた人間を水中に引きずり込む
- 尻子玉という肛門にある臓器(これ自体は人間には無く架空の臓器)を抜いてしまう
といった悪いイメージの2つがあります。
実際はどちらが正解なのかは分かりませんが、これらのことからどっちの見方も出来てしまうということですね。
河童の外観の特徴
河童は緑色の体をしていて、頭には皿が乗っているような感じになっており、姿は猿やカワウソのようだとされています。背中には亀の甲羅のようなものも付いています。
こうやってみると、様々な動物が合体したかのような外観であると言えるでしょう。
ちなみに頭に乗っている皿のようなものは河童の特徴の中で一番目立つワケですが、この皿は河童の力の源とされており、基本的に濡れているこの皿が乾くか割れてしまうと力を失うと言われています。
河童の手の諸説
河童の両手足には水掻きがついていると言われています。しかし、その両腕は実は河童の体内で繋がっているとされており、片方の手を引っ張り続けるとそのまま腕が抜けてしまうんだとか。
河童には「亀人形態」と「類人猿形態」の2つの形態があるとされていて、亀人形態では「手に親指が無く爬虫類のような手をしている」と言われています。
一方で類人猿形態においては「手に親指があって足にかかとがある」としていることから、地域に伝わる伝承によって形態も違えば特徴も違った形で描かれているということですね。
河童は実在するのか?
ここまで河童の名前の由来や外観の特徴について語りましたが、では実際に河童はこの世に実在するのでしょうか。
現在河童のミイラや骨と呼ばれるものは、江戸時代のミイラの造形師が様々な動物を組み合わせて作っているんだそうです。
現在に伝わる河童のミイラや河童の骨などと呼ばれるものは、多くは江戸時代のミイラ造形師が他の動物の一部を組み合わせて作った物である。好んで用いられたのはエイと猿で、このほかフクロウの頭部を使ったものもある。また河童の手首のミイラと呼ばれるもののほとんどはニホンカワウソのものである。
引用元:Wikipedia
そして実際に、河童のミイラを展示しているところがあります。
河童のミイラを展示している場所がある
福岡県の北野天満宮の中に「河伯(かはく)」と呼ばれる河童の手のミイラがあります。
福岡県の北野天満宮には「河伯(かはく)の手」と呼ばれる河童の手のミイラがあり、901年に菅原道真が筑後川で暗殺されそうになった際、河童の大将が彼を救おうとして手を切り落とされた、もしくは道真の馬を川へ引きずり込もうとした河童の手を道真が切り落としたものとされる。
引用元:Wikipedia
菅原道真は日本三大怨霊の1人というイメージがありますが、こういった謎に満ちた妖怪の伝説の中でも登場するというのはなかなか面白いですね。
もちろん河童の手が切り落とされる光景を見た、または切り落としたという話は菅原道真本人にしか知り得ないことでしょう。
菅原道真についてはこちらの記事で詳しく書いています。
河童の伝承の元となる未確認生物がいた?
河童は現代の場合、未確認生物、またはUMAとして扱うことも少なくありません。ただ実際に、河童の伝承の元になる未確認生物が実在していたのではないかという話があるようです。
「グレイ」と呼ばれる今の宇宙人の基本的な外観となった未確認生物が居るのですが、昭和の時に目撃されていた爬虫類型の河童が頭に皿や背中に甲羅が無いとして、その河童を「グレイ」と勘違いした人が多かったのではないかという内容が「怪談新耳袋」に載っています。
つまり、「このグレイと勘違いした人たちが河童を未確認生物として見て伝承を作り、現代まで語り継がれてきた」ということかもしれないワケですね。
結局河童の正体って何?
河童の正体には様々な説がありますが、今のところ有力説としては「水死体」と言われています。
なぜ水死体なのかというと、水死体は体の色が緑色に近い色となっており、髪の毛も少なくなっていたり肛門が広がっているからだそうです。これは先ほど紹介した河童の特徴に酷似しています。
あとは水死体の体は膨張している場合もあって、この状態の背中を見たときに甲羅と勘違いしたのではないか、とされています。
つまり、昔河童を目撃した人たちの多くは、水死体を河童だと誤認していた可能性が高いということですね。
河童自体は発見されていないが日本各地で伝説が残っている
河童の正体のほとんどは「水死体が河童に見えただけ」と言われてはいますが、日本各地で様々な伝説が残っているというのも事実としてあります。
茨城県や愛媛県では「悪さをした河童を許したり、取れてしまった手や腕を河童に返すと助けてくれた」という伝説が語り継がれています。
他の地域でも悪い意味での伝承や、逆に良い意味での伝承、それぞれで語り継がれているので、やはり河童は実在したという前提で伝説が残っているということでしょう。
まとめ
今回は「河童は実在するのか?」について記事を書いてきました。
河童は「河(かわ)」と「童(わっぱ)」の組み合わせが変化して「かっぱ」という名前になったのが由来であると紹介しました。そして河童は「天狗」や「鬼」と同じぐらいに知名度がある妖怪として有名であります。
河童の外観は一般的には緑色の肌をしていて、頭には皿が乗り、背中には甲羅があるのが特徴的です。手には水掻きが付いていますが、形態によっては親指があったり無かったりします。
河童は伝承によって良いイメージで描かれている場合もあれば、悪いイメージで描かれている場合もあります。ですが、日本各地で多くの伝承がある以上は完全に都市伝説とは言い切れません。
川や沼に居るとされているので、日本全国の川や沼の数で考えたら、いつかは「本物の河童」に出会える日が来るのかもしれませんね。
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