枕返しってどんな妖怪?枕を返す意味とは?葬儀でも行われることがある?

枕返しが枕を返す時のイラスト画像
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有名な日本の妖怪の一つである「枕返し」。枕返しはその名の通り、寝ている人の枕を返すという妖怪になります。

 

枕を返すという事だけで考えれば大した事なさそうに見えますが、実は時に命を奪ってしまう事があるという伝承も存在します。

 

そこで今回は、妖怪である枕返しの詳しい解説と日本各地にある伝承、そして葬儀において枕を返すことがあるので、その意味について紹介していきます。

 

また、アニメの「地獄先生ぬーべー」と「ゲゲゲの鬼太郎」に枕返しが出演している回があるので、併せて解説していこうと思います。

妖怪である枕返しとは?

妖怪の枕返しの肖像画

出典:Wikipedia

枕返し」は夜に寝ている人の目の前にやってきて、枕をひっくり返したり、寝ている人の向きを逆向きにしたりする妖怪となります。

 

外見としては子供のような姿や坊主頭であるとされていますが、明確なことは不明となっています。

  • なぜ枕返しが枕を返したりするのか
  • なぜ寝ている人の頭と足の向きを逆にするのか

ということに関しても、理由や目的は不明です。

 

しかし、日本各地で枕返しに関する伝承が残っており、昔から枕返しは存在するというような文献があるのは事実です。

妖怪である枕返しにおける各地の伝承

歴史

日本各地に枕返しについての伝承があるわけですが、伝承としてはどんなものがあるのでしょうか。

 

枕返しは妖怪とする場合と、ある部屋で亡くなった人の幽霊がそのまま枕返しとなって枕を返す、ということが考えられていたそうです。

 

東北地方では、枕返しの正体を座敷わらしのイタズラとしてみているとのこと。

 

もちろん県によって細かい部分で伝承に違いがあったりします。

 

ここでは、

  • 岩手県においての枕返し
  • 群馬県においての枕返し
  • 静岡県においての枕返し

の3つの伝承について紹介していきたいと思います。

岩手県においての枕返し

東北地方においては、枕を返す他に

  • 寝ている時に体を押し付けられる
  • 畳を持ち上げられる
  • 自身の周りに足跡が残っている

といったことが起きたとされています。

 

岩手県では、現在でいう久慈市と宮古市に不思議な柱がある家があり、その柱に対して頭を向けたまま寝ると枕返しに遭遇してしまうと言われています。

 

さらに岩手県岩泉町小本では、ある家で亡くなった人を棺に入れ、その棺をある屋敷に置いていました。

 

しかし、その屋敷で火事が起きてしまい、亡くなった人が入った棺と畳が燃えてしまいます。

 

その後畳を新しく変えるのですが、なぜかそこで寝た人が枕返しに会ってしまうということもあったそうです。

群馬県においての枕返し

次に紹介するのは群馬県での伝承になります。

 

群馬県東吾妻町では、枕返しが起こす現象の正体を猫に化けた火車(悪さを積み重ねて亡くなった人間の遺体を奪う猫の妖怪)としていると言われています。

 

東に向いて寝ている人を西に向けて寝させるというイタズラをするとされています。

 

ここの場合ですと、枕返しではなく、別の妖怪が枕返しをするという認識で伝承を残している感じになるようですね。

静岡県においての枕返し

最後は静岡県磐田市になります。

 

静岡県磐田市では枕返しのことを「枕小僧」と呼んでいるそうで、枕小僧は一人で寝ている時に枕をひっくり返すというイタズラをするそうです。

 

背丈としては90センチという、まさに子供というべき存在として認識しており、子供のイタズラ的な感じでみているようです。

妖怪である枕返しの話は日本各地の寺院でも存在する

お寺の写真

妖怪である枕返しの伝承は日本各地にあったわけですが、実は寺院においてもさまざまなところで枕返しの話が伝承として残っています。

 

そこでここからは、

  • 栃木県大田原市の大雄寺にある「枕返しの幽霊」の掛け軸
  • 香川県さぬき市の大窪寺の場合
  • 栃木県栃木市の大中寺にある「枕返しの間」の七不思議
  • 岐阜県関市の白山寺にある「枕翻の観音」で居眠りする

の4つの寺院における伝承について紹介していこうと思います。

栃木県大田原市の大雄寺にある「枕返しの幽霊」の掛け軸

まず最初に紹介するのは、栃木県大田原市にある「大雄寺になります。

 

大雄寺では「枕返しの幽霊」という名の掛け軸があり、この掛け軸にはそのままですが、幽霊が描かれているものになります。

 

そして、この掛け軸を部屋に置いた状態で寝ると、朝起きた際に枕の位置が変わっているんだそうです。

 

なぜこのような事が起きるのかについては、もともとこの掛け軸は一説によると、古抑園鴬居という絵師が病で倒れた母親を描いたものと言われております。

 

そしてこの絵が完成する時にその母親が亡くなったのですが、この絵が色んな怪異を引き起こしたため、供養のためにここへ納めたという話があるようです。

香川県さぬき市の大窪寺の場合

2つ目に紹介するのは香川県さぬき市にある「大窪寺になります。

 

このお寺では寝ている時に枕小僧が立っていた場合、体の自由が効かなくなって動けなくなるという言い伝えがあるそうです。

 

故にこのお寺ではその現象が起きる部屋で寝ることは禁止しているとのこと。

 

枕小僧が現れたときに体が動かなくなるというのは、まるで幽霊を見た時に起こる「金縛り」を連想させますね。

栃木県栃木市の大中寺にある「枕返しの間」の七不思議

3つ目に紹介するのは栃木県栃木市にある「大中寺」になります。

 

大中寺では「枕返しの間」という部屋があり、とある旅人がこの部屋で泊まりました。

 

その際に、足を本尊(お寺や仏壇の中央に祀られている仏像や掛け軸の事を指す)に向けて寝たのですが、朝になると頭が本尊の方へ向いている状態になっていたそうです。

 

この現象がなぜ起きたのか誰にもわからず、大中寺においての七不思議の一つとして数えられているんだとか。

 

足を本尊の方へ向けたりすると仏様に対して失礼な行為にあたるとして、枕返しかそれ以外の何物かが向きを変えた可能性はありそうですね。

岐阜県関市の白山寺にある「枕翻の観音」で居眠りする

最後に紹介するのは岐阜県関市にある「白山寺」になります。

 

白山寺には「枕翻(まくらがえし)の観音」と呼ばれる観音菩薩がありまして、その枕翻の観音がある堂内にいると、全く眠くないはずなのにまるで睡眠ガスでも受けているかのような感覚に陥り、居眠りしてしまうと言われています。

 

この場所で居眠りしてしまったあと、夢の中で枕が返るとその者の願いが叶うんだそうです。

 

枕返しはひっくり返したり体の向きを逆にしたりするイタズラ妖怪だと思ってしまいますが、中には白山寺のように逆に良いことが起こるという伝承も存在することを考えると、興味が湧いてくるような妖怪であると言えるでしょう。

妖怪である枕返しには人間の命を奪うという伝説もある

悲鳴

枕返しの主な特徴は、寝ている最中の人間に対して悪戯をするという形でイメージが定着しています。

 

しかし、実はとある伝承において、枕返しが相手の命を奪ってしまうという話も存在しているのです。

 

ここではその「枕返しが命を奪った伝承」について

  • 笑いかけてきた枕返しを見てそのまま亡くなる
  • 木こりが木の精に枕を返されて亡くなる

の2つの話にて語っていきたいと思います。

笑いかけてきた枕返しを見てそのまま亡くなる

石川県金沢市にある屋敷があったのですが、その屋敷に美女の姿をした枕返しが現れ、草履取りがその屋敷の前で枕返しを見てしまいます。

 

そして枕返しを見た後にその枕返しがこちらに笑いかけてきた途端、その人はそのまま気を失ってしまい、亡くなってしまったそうです。

 

はっきり言って笑いかけられただけで死んでしまうというのは、めちゃくちゃ怖い伝承だと個人的には思います。

木こりが木の精に枕を返されて亡くなる

和歌山県日向町にとある村がありまして、そこに7人の木こりが居ました。

 

その木こりたちがある日、小又川のそばにあったヒノキを切ったのですが、その夜に木こりたちが寝ていたところ、木の精が現れて眠っている木こりたちの枕を全てひっくり返していきました。

 

するとその翌朝、枕を返された7人の木こりたち全員がそのまま帰らぬ人となってしまったそうです。

 

さらに、8人の木こりたちがモミの木を切ろうとしたことがあったのですが、時間が掛かり過ぎた関係でその日は途中で辞めたそうです。

 

しかし、翌日にそのモミの木を見たところ、途中まで切れているはずであったにもかかわらず、切った部分がもとに戻っていたそうです。

 

真相を確かめるため、その日の夜にその木を見張っていたところ、木の精が現れて切り口のところに切り屑を詰めていました。

 

なので、これでは木を切り終えることが出来ないと判断した木こりたちは、そのモミの木を全て焼き払うことで終わらせようと考えました。

 

しかし、全てのモミの木を焼き払った木こりたちが眠っていたところ、その木の精が再び現れて、全員の枕を返していきました。

 

ですが、8人の木こりのうち一人がそれに気づいて必死に般若心経を唱えたところ、その一人だけが助かって残りの7人が全員死んでしまったそうです。

「ドッキリグランプリ」にてかまいたちの山内が枕返しに挑戦した

テレビ番組の「ドッキリグランプリ」にて、お笑いコンビ「かまいたち」の山内さんが妖怪の枕返しに変装して、芸能人の枕をひっくり返すというドッキリに挑戦しました。

  • おかずクラブ
  • SKE48の須田亜香里
  • スギちゃん

などが寝ている最中に山内さんが枕返しに変装して枕を返していきますが、山内さんの枕返しのメイクが凄すぎるからか、スギちゃんに至っては寝ながら腰を痛めてしまうということが起きました。

 

姿そのものはまさに「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する枕返しにそっくりで、この姿を見てしまえば、誰でも腰が引けるだろうなと思いました。

 

「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する枕返しについては後ほどお話しします。

「地獄先生ぬーべー」での妖怪の枕返しがかなり怖い

妖怪である枕返しは、妖怪アニメで有名な「地獄先生ぬーべー」にも登場しています。

 

漫画版とアニメ版があるのですが、アニメ版では初期のぬーべーの最終回に、その枕返しの話が放映されました。

 

話の展開としては、郷子がある朝目覚めると、小学生であった自分の姿が26歳のOLの姿となっており、郷子は一体何が起きたのかと思いビックリします。

 

しかし、こうなっている以上は仕方がないため、なんとかその生活に溶け込もうと努力します。

 

そして、ぬーべーと再会したのですが、そのぬーべーは郷子たちが卒業したのちに強大な悪霊と戦って敗北してしまい、全身麻痺の状態になってしまっていました。

 

この現実に対して受け入れられない郷子でしたが、ぬーべーは郷子に対して

 

これは妖怪の枕返しの仕業で、郷子をパラレルワールドへ飛ばしてしまった事で、この未来にやってきてしまったんだ

 

と告げて、鬼の手を郷子の頭に乗せて枕返しを捕まえたことで、郷子は元の世界に戻ることが出来ました。

 

これは妖怪として怖いというよりも、残酷な未来を見せたことによる郷子の絶望の要素がかなり強かったといえるストーリーだと思います。

「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪の枕返し

先ほどは「地獄先生ぬーべー」に登場した枕返しを紹介しましたが、それ以外にも「ゲゲゲの鬼太郎」で枕返しは登場します。

 

ゲゲゲの鬼太郎の場合ですと、枕返しは夢の世界に入らせることが出来る力があるという設定になっており、最初は敵として鬼太郎と戦いますが、その後は味方として活躍する事になります。

 

枕返しは風貌として「仁王」のような姿をしており、この見た目としては珍しく弱点が塩であり、塩をかけられると体が溶けてしまうという設定になっています。

 

鬼太郎の第6期においては、敵ではなく味方として登場し、その性格はおっちょこちょいであったり、芸人のように突っ込みを入れるなど、お笑い的なキャラとなっています。

妖怪とは別の枕返しの意味とは?

枕返しのイラスト画像

妖怪の枕返しの他にも、別の形で枕返しという呼ばれ方をするものがあります。

 

それは、生きていた人を初めて亡くなった人として扱うために、その遺体を葬儀にて北枕にすることを「枕返し」と呼ばれていたりするのです。

 

古くから、夢を見ている間は魂が肉体から抜け出していて、その間に枕を返した時にその魂が肉体に帰られなくなるという言い伝えがあったとされています。

 

簡単に言ってしまえば、幽体離脱をしてしまい、そのまま帰れなくなってしまう状態と同じようなものかと思われます。

 

実際に平安時代末期の歴史書物である「大鏡」にもこう書かれています。

 

藤原義孝が自身の死が訪れた際に、自分が死んでも魂がこの肉体に帰れるようにするために「通常の葬儀を行うな」と言ったのですが、葬儀の際に通常の葬儀を行ってしまったため、この世に帰ってくることが出来なかったと記述されています。

 

枕返しという言葉そのものが「」という意味で使われている場合があるということですね。

まとめ:妖怪である枕返しは本当は怖いかもしれない

今回は妖怪である「枕返し」についての記事を書いてきました。

 

枕返しは寝ている人の枕をひっくり返したり、寝ている人の向きを逆にしたりする悪戯好きな妖怪だとされています。

 

しかし、中には命を奪う恐ろしい個体もおり、ある意味二面性を持った妖怪と言えるかもしれません。

 

日本各地に伝承や寺院においての伝承が多くありましたが、共通して理由は不明ではあるものの、とにかく向きを変えるという伝承が多かったような気がします。

 

枕返しの正体は分からないですが、もしかしたら単純に子供の幽霊や妖怪のイタズラである可能性があるかもしれませんね。

 

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